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ミルボン『平成29年度 政策発表会』 生涯顧客を創造する“生涯美容師”育成に向けて

(株)ミルボン(佐藤龍二社長)は1月31日、東京・千代田区の帝国ホテル東京で『平成29年度 政策発表会』を開催した。  佐藤社長は各位への謝辞に次いで、市場環境について話し始める。世界経済は政治不安により混沌としており、また日本経済に目を向けても厳しい状況。実質消費は横ばいか目減りが続き、時代のトレンドは緩やかなデフレ基調といわれている。  そして40歳以上が55%と人口の半数を占めた日本は、まさに大人の社会。それは一人ひとりの価値観が違う、個の社会ともいえると続ける。「つまり個人の世代観と価値観により、完全なる選択的メリハリ消費となっている。また高価値かリーズナブルかの2極化が進行し、厳しい選択眼を持つ消費傾向」

 市場をそのように読み解くと、本年度の政策立案に移る。まずサロンには1.続く採用難、2.売上げ向上と利益確保、3.自店の強みと独自性、4.組織人材のあり方の課題や悩みがあると感じたとして、イノベーション・マーケティング・マネジメントの各視点でどう解決していくかが問われていると話す。  そこで同社は日本の人口動態の年齢別ピラミッドと、美容師の年齢別ピラミッドのギャップに着目。「美容ブームの1990年代は人口ボリューム層である団塊ジュニアと美容師の年齢が近かったが、現在では日本人平均年齢の約46歳に対し美容師平均年齢は約30歳と16歳もの差となっている」  したがって世代観が重要であり、上手く捉えることにより美容師は50代で売上げピークを迎えるという、新たな美容師のキャリアプランを創造できる。それが生涯顧客を創造するチャンスとして、本年の施策を「市場を見れば価値観の高い大人の女性顧客はいる。たとえば一昨年から着目しているHanakoジュニアとHanako世代、団塊ジュニアと団塊世代。母子の関係性が強く波及消費も起こっている。こうした大人の女性である顧客の世代観と価値観をとらえることで、生涯顧客を創造する生涯美容師の育成、人材を生かす経営環境を支援し、世代波及消費による生産性の向上を目指す」とした。  具体策では、顧客の世代観と価値観を捉えた新製品を投入し、美容師が顧客のライフスタイルパートナーとなれる支援と、サロン店販ビジネスに注力。また教育支援としてもリアリティブ発想のさまざまなイベントに取り組むとして、DA-INSPIREの第1回目グランプリファイナルを実施するとも述べた。

 続けてサロン支援の中期5カ年構想について、3年目となる本年の施策を2点報告。1つは教育支援のためのスタジオ拠点。静岡スタジオ営業所の新設、そして横浜営業所はみなとみらいエリアにリニューアル移転すると発表。2つ目はサロン店販ビジネスを目指しての、コーポレート&製品ブランディング。個客のブランド認知を高め、サロンのバックアップを図っていくという。  その他にもより一層のサロン店販ビジネスの確立への、新たな取り組みにも着手しているとも話した。

 最後に「人口動態はサロン経営に大きな影響を与える。市場の消費は数量×単価と捉えられるが、数量が求められない現在、美容の質である社会的価値を高め、個客価値を生み出すことで単価につなげる。だからこそ美容師のキャリアプランをつくり、人材を生かす組織をつくる。つまり美容師の在り方、技術と店販の在り方の新たなパラダイムシフトによる労働生産性を高めることに尽きる。したがって将来の美容の価値創造、労働生産性の向上のために貢献するべく活動していく」と述べた。

 また(株)コーセー社との提携についてもコメント。このたび資本業務提携契約を締結したが、背景としてはサロンの新たな収益を確保するためのサロン店販ビジネスの強化であり、顧客価値を高めるために化粧品事業は重要な武器であるとの考えからだという。  そこで本年6月、美容室専売の化粧品ブランドを開発する合弁会社を設立。同社はこれまでどおりプロフェッショナル業界に絞った製品・サービスの開発に努めていくとも述べた。「ヘアデザイナーが世界で活躍できるフィールドを創るという志しを持って、日本発のプロフェッショナルグローバルメーカーを目指している。このような考えの基、同じ志しを持つコーセーとパートナーを組み、世界で戦えるビューティ事業を目指していく」

 次いでマーケティング戦略の概要とその具体策についてでは、各担当者が新製品であるジェミールフラン サロントリートメント、カラー剤オルディーブ アディクシー、オルディーブ フェミニティライン、プラーミア エンリッチド シャンプー&ヘアトリートメント、またオーガニック製品のVilla Lodola(ヴィラロドラ)と、それぞれ世代観に対応する製品を紹介。  最後にはゲストプレゼンテーションとしてPEEK-A-BOOの高澤光彦氏が、生涯美容師について自身の体験を語り終了となった。

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