日本ヘアカラー工業会(水野真紀夫会長)は4月27日、同事務所にて『記者会見』を開催。これまでの取り組み、さらに消費者安全調査委員会の調査報告を受けての『理美容師向けヘアカラーリングハンドブック』発刊がおもな趣旨となった。
はじめに田尾大介副会長が日頃の協力への謝辞に続き、同工業会の概要と取り組みを説明。昭和35年の発足以来、ヘアカラーの安全性情報の収集につとめ、また消費者への継続的な安全情報の提供を行なうために、理美容師への啓発を行なってきた同工業会。
一昨年、内閣府安全調査委員会から『ヘアカラーの皮膚障害』について厚労省、消費者庁へ通達があったことを受けて、この2年間、より安全に向けての活動に取り組んできたが、今回、消費者により安全にカラーリングを楽しんでもらうための活動がまとまったとして、「消費者の安全が第一。それを重要視しながら、より付加価値を高く、消費者が期待できる環境を作っていくために活動していきたい」と結んだ。
続いて岩瀧正之理事兼理美容師啓発専門委員長が、まず取り組みの目的を『キレイなヘアカラーを楽しみ続けていただくため』と述べ、そのために今まで以上に安全・安心にしっかり取り組んでいくと話す。
続けて前述の安全調査委員会からの報告書が公表されたのを受け、消費者へよりわかりやすい安全性情報を提供すべく、使用説明書、製品外箱や広告に記載する注意表示を見直し、昨年7月・本年3月に自主基準改正を行なっていると続ける。
さらに昨年の消費者安全調査委員会フォローアップアンケート調査、また同工業会消費者向け調査等の結果から、理美容師より「お客さまをアレルギーから守るため」の正しい知識が伝えきれていないことがわかったという。
そこで『理美容師啓発専門委員会(BBSC)』を設置し、ヘアカラーの安全性に係る情報発信や伝達手段を模索してきたが、この度、理美容関連団体の協力と皮膚科専門医監修のもと、ヘアカラーの安全情報をまとめた「理美容師向けヘアカラーリングハンドブック」を作成したと発表。
理美容師向けであるため、『手荒れとかぶれ』の解説も記載している本冊子は6月に発刊。各関係団体※に配荷し、また同工業会ホームページにも、ウェブカタログをアップ予定だという。
ヘアカラーはサロン経営の中で売上げの大きな位置を占めているが、年間に約200件の事故報告がある。そこでメーカー・サロン・業界団体・流通団体・学校関係、ジャーナルなどの連携で、染毛剤による皮膚障害の低減を目指していくそうで、「付けくわえて、理美容師の手荒れに対する問題点の指摘。理美容師を守りながらお客さまを守るというスタンスで取り組んでいく」と述べた。
※
配荷予定日 平成29年6月1日
配荷先
全日本美容業生活衛生同業組合連合会
全国理容生活衛生同業組合連合会
日本ヘアカラー協会
全国美容用品商業協同組合連合会
全国理容用品商組合連合会
日本理容美容教育センター
他団体
A5 12ページ
コンテンツ
カラーリング戦術前の確認
カラーリング施術中の確認
お流し時の確認
仕上がり~見送り時
次回ご来店時
皮膚科専門医からのワンポイントアドバイス
・かぶれと刺激の違い
・手荒れとかぶれ
理美容師の皆さまへのお願い
カラーリング施術前チェック表
ヘアカラーを楽しみ続けるためのポイント
<日本ヘアカラー工業会からのお知らせ>
日本ヘアカラー工業会(以下当工業会)では、平成27年10月23日に消費者安全調査委員会より「毛染めによる皮膚障害」に関する報告書の公表等を受け、自主基準改正※等を行い消費者や理美容師の皆さまへ情報提供を行ってまいりました。
また同日、厚生労働省生活衛生課より、理美容師の皆さまへの注意事項が発出され、以下の内容が記載されております。
・酸化染毛剤やアレルギーの特性や対応策等について確実に知識を身に付けましょう。
・酸化染毛剤やアレルギーの特性、対応策等についてお客様への情報提供をしましょう。
・お客様が過去に毛染めで異常を感じた経験の有無や、施術当日の顧客の肌の健康状態等、酸化染毛剤の使用に適することを確認してください。
・以前にかぶれたことのある方には絶対に施術しないで下さい。
・酸化染毛剤を用いた施術が適さないお客様に対しては、リスクを丁寧に説明し、酸化染毛剤以外のヘアカラーリング剤を用いた施術等の代替案を提案しましょう。
ヘアカラーの安全性に係る情報等を正確に伝達するため、当工業会では「理美容師向けヘアカラーリングハンドブック」を作成いたしました。
詳細は日本ヘアカラー工業会HPよりご確認いただけます。(http://www.jhcia.org/)
※平成28年7月12日、当工業会では自主基準を改正し、製品外箱正面の注意表示を新たに記載することに致しました。順次、新表示の製品が配荷されます。
<業務用製品外箱正面の注意表示>
○お客様にヘアカラーのリスクと皮膚アレルギー試験(パッチテスト)の必要性をご説明ください。
○ヘアカラーでかぶれたことのある方には絶対に使用しないでください。
○かぶれを繰り返すと症状が重くなることがあります。