タカラベルモント(株)(吉川秀隆会長兼社長)は8月9日、東京・港区の同社東京本社で『シニアケアセミナー』を開催。これは昨年12月に大阪で同社社員を対象に行なわれ好評を博したもので、当日は約70名が参加した。
高齢者の知識を拡げ、社員自身の生活や製品開発などに生かしていくことを目的に、一般社団法人シニア検定協会業務執行理事の江端ひとみ氏を講師に招聘。江端講師はまず、高齢化に対して意識する際、一番わかりやすいのは身内に介護者がいること。実際、自分が何ができるのかを感じてほしいとして、人口動態図を参照しながら、超高齢化社会の現状を紹介。
そうした中、介護業界の人材不足解消に向けての動きが進んでいる。そのひとつが外国人の受け入れ。しかし言葉の壁は大きいと話す。「そこで元気な年配者、いわゆるアクティブシニアに埋めてもらう必要もあるかもしれません」
加えて合計特殊出生率、老々介護、独居、空き家、買い物難民、認認介護(認知症者が認知症者を介護すること)、介護離職など、高齢化によるさまざまな問題を理解しておくことが大切とも述べる。
引き続いて、高齢化に伴う身体と心の変化を解説。老化の原因は細胞が減少することで、身体的変化としては昨年、高齢者の事故が多発した自動車の運転もひとつ。加えてリウマチや誤嚥性肺炎などに注意する必要があり、「年齢を重ねることは、自身の身体の変化を知ること」だとした。
心の変化としては、神経伝達物質の減少に伴ってのうつ病や、感情コントロールがしづらく怒りっぽくなることもある。そして認知症。原因は①脳血管性認知症、②アルツハイマー型認知症、③レビー小体型認知症、④前頭側頭葉変性症(ピック症)が挙げられるそうで、病気だと認識することだと話した。
その後、車イスの扱い方や介護ベッドの必要性なども話されると終了となった。なお、知識習得の確認のため受講者は後日、シニア検定を受けるとのこと。