滝川(株)(滝川睦子社長)はトレードフェアの翌9月5日、TISA全国経営者大会を行なった。参加者は264名。
まず岩田一良(株)東和会長/TISA運営委員会代表委員が「美容室は24万軒を超えたが、今後3年ほどは増え続けるといわれている。そうし中、美容師を希望する人は減少している。業界は変化している中、この講演が役立てば」と開会を宣言した。
さっそく滝川社長による基調講演が始まると、引き続いて第六十二代横綱 大乃国 芝田山 康氏が講演。その後、田村 潤氏(元キリンビール(株)代表取締役副社長)、安孫子 薫氏(元東京ディズニーリゾート リゾート運営部長・元キッザニア東京 副総支配人)が分科会を行なうと、最後に岸 博幸氏(慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科 教授)が登壇。軽妙な語り口で講演し終了となった。なお、各講演テーマは以下のとおり。
基調講演『人口減の時代の美容消費の拡大とは』
滝川(株)代表取締役社長 滝川睦子氏
人口減は数十年前から予測されていたが、対策がないまま2018年を迎えようとしている。今まで以上に理美容学校の学生確保、サロンのスタッフ確保は難しくなり、消費者も高齢となれば来店しづらくなる。つまり業界においては死活問題といえるだろう。
そうした中、価値観は世代ごと、もっといえば一人ひとり異なるのだから、最大公約数的な流行ではなく、セグメントごとのプチ流行が生まれるのではないかと話す。
だからこそ時代背景や情報を加味し、消費者ニーズの変化に合わせて変化することが重要となる。たとえば働く女性なら時短、便利、面倒がないといったアイテムや、ワンストップのトータルビューティが喜ばれる。そして母親になっても女子力が高い、いわゆるアクティブママが増えていることから、その悩みを解消していくのもひとつ。
男性では身だしなみ消費が拡大しており、『スキンケア』『脱毛』がキーワード。また高齢者を迎えるなら施術時の姿勢などにも気を配る必要があり、『居心地が良い』『疲れない』がキーワードになるという。
もうひとつ、『環境トラブル』が挙げられる。昔は聞かなかったアレルギーや花粉症、黄砂、PM2.5といった問題は、美容の範疇で対応できないこともある。しかし昔の美容製品を使用し続けていると、肌に合わないこともでてくるかもしれない。
当然、すべての世代のさまざまな思考を取り込んでいくのは困難。しかし現在、自店の中心顧客が5年後、10年後、20年後にどうなるか、早くから対策を考えていくこと。加えて美容消費が拡大していけば事故も増えるため、安心・安全に気を付け、コンプライアンスの重要性を理解することが大切だとした。
最後に、美容は外見だけでなく、健やかに幸せに過ごすことに欠かせない。したがってストレス社会、高齢化の中でできることはあると述べると、「流通にかかわるすべての企業は、サロンを満足させるために何ができるのか考えていきたい」と結んだ。
全体講演『道は開く』
第六十二代横綱 大乃国 芝田山 康氏
角界に入る経緯からこれまでを振り返りながら、父親からの『いわれる前に自分から進んで行動しろ』という言葉や、成績が振るわなかったとき『明日の対戦相手ばかりを気にするのではなく、今日は、今日の相手に精一杯の力で』と気づいたことで、道を開いてきたと話した。
分科会Ⅰ『理念と現場力による勝てる組織の創り方』
元キリンビール(株) 代表取締役副社長 田村 潤氏
分科会Ⅱ『ディズニーランドの品質管理と運営管理~安全安心が最優先~』
元東京ディズニーリゾート リゾート運営部長・元キッザニア東京 副総支配人 安孫子 薫氏
全体講演『これからのビジネスを取り巻く経済動向とIT動向』
慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科 教授 岸 博幸氏