全国理美容製造者協会(NBBA/吉川秀隆会長)アカデミー委員会(美崎幸夫委員長)は10月11日、東京・渋谷のロレアル東京アカデミーで『臨時セミナー』を開催した。
今セミナーは経済産業省より『サービス産業の生産性向上について』、同協会より『調査報告書の見方』の二部構成となっており、美崎委員長は「良い形で身につけていただいて、明日の営業活動、その他に役立てていただければ」とあいさつした。
さっそく第一部『サービス産業の生産性向上について』に移ると、経済産業省 商務サービスグループ サービス政策課の平川氏が登壇。まずサービス産業の経済規模について、GDPベースで7割超(約380兆円)を占め、その規模は拡大傾向にあると話す。
ただOECD加盟国35カ国中22位と、日本は労働生産性の低さが指摘されている。貿易の関係もあり、一概に日本だけが低いとは言い切れないが、やはりサービス業の労働生産性を伸ばすことは困難。「政府は2020年までにGDP600兆円を目標にしていることから、この“サービス産業の労働生産性”を飛躍的に向上させていく必要性があると考えています」
対応策としてはITを活用した決算などのインフラ整備、または国際展開といった基盤の整備。実際に取り組んできた中では、中小企業を中心とした『サービス等生産性向上IT導入支援事業』は好評だったという。
また、サービスの『付加価値を高め価格に反映すること』にも着目しているものの、消費者の中では“サービスは無料が当たり前”という意識が根強く、マインドチェンジが必要だと感じているという。
そこで“質の見える化”のための『おもてなし規格認証』を紹介。2020年までに30万社の認証を掲げていることから美容業界にも拡げていきたいとして、「価格への転嫁、従業員への評価、従業員のモチベーションアップにつながっていくことが期待できます」と話した。
なお認証企業は『観光予報プラットフォーム』で紹介されており、インバウンドの方への訴求にもつなげていくとのこと。
続いての第二部では、調査委員会の高井良和夫委員長により、同協会が実施している『サロンユーザー調査』の見方が解説された。
たとえば『最近1年間のサロン利用回数』は、2016年平均値が4.2回、昨年2015年は4.3回で0.1回減少した。美容人口は約5000万人(本調査対象:15~79歳まで)であるため、500万回下がったことになる。これを金額に変えると、500万回×約6000円(年3回以上利用者の平均金額より)=300億円で、市場が縮小したといえる。
こうしたマクロ的に見て、全体の傾向をつかみながら日々の仕事に取り組んでほしいという旨が述べられた。