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ホットペッパービューティアカデミー『女性スタッフの離職を防ぐには?』セミナー開催


 株式会社リクルートライフスタイル(淺野健社長)の調査研究機関・ホットペッパービューティアカデミー(千葉智之アカデミー長)は、セミナー“女性スタッフの離職を防ぐには?”を10月31日、東京・丸の内のグラントウキョウサウスタワーで開催した。

 テーマについて同社の道本雅典執行役員は、資格や技術、キャリアがありながら、結婚や出産で辞めるのは惜しいことと、同社の組織づくりでも課題となっていることが背景にあり、「女性が活躍できる組織は、すべからく男性にとっても働きやすい環境。女性があらゆるライフステージを超えて働き続けられる組織は、優秀な人々が活躍できる。その先に優秀な人々が集う力を持った組織が、全国の美容業界の中にたくさん生まれていくことが望ましく、我々の組織もそうありたい」と述べた。

 セミナーの進行及び解説は、同アカデミーの服部美奈子研究員が務めた。

 第1部のテーマは『女性が離職する本当の理由』。最初に、女性スタッフの離職対策が必要な理由として、①人手不足解消のため、②採用力アップが期待できるため、③顧客満足につながるための3点をあげ、①については、人口減と少子高齢化が加速するので労働力(15~64歳)が減る一方、サロン数は増加し続けるので競争が激しくなる、②は、美容専門学生(女性)が就職先として重視するポイントとして、長く続けられることを希望している、③は、20代~40代前半女性の4割が女性美容師を希望しており、コミュニケーション力の高さを評価している。2020年の推計人口は40代~50代が多くなり、その年代の女性の悩みはシミや白髪、シワ、疲れなどエイジングに関することで相談するのは同世代の大人女性スタッフである、と解説。

 なぜ女性スタッフが離職するのかについては、離職時の年齢は20代が約70%を占めており、結婚や出産を機に退職が多く、美容業界から去った理由は長時間労働と土日に休めないこと多く、プライベートとの両立が難しいことがうかがえるとして、「安心して働ける環境」と「コミュニケーションがある風土」が女性の離職を防ぐポイントだと強調した。

 第2部「サロン事例紹介」は対策を講じているapish・坂巻哲也代表、spuare fountain・泉端洋子代表、La Bless・木村博次代表が、それぞれ事例を紹介した。

 3サロンとも法人化や、ママスタッフ、時短スタッフを誕生させており、apishでは育休ブランクの不安解消にママスタッフ専門のカラー専門店をオープンした。リハビリの場だけでなく新人の特性を見抜くなど得意分野を発揮し、ブランクがあってもいろいろな形で活躍することがわかった。 

 spuare fountainはスタッフの不安解消のために、女性労務士とともに産休・育休制度などの勉強会を開いている。スタッフとの共通語として理念を作成し活用。

 La Blessでは入社1年生と座談会を行ない、悩みなどを聞いてフォローしている。

 以上のことから、同アカデミーは産休・育休などの環境作りは必須で、コミュニケーションのポイントとして①スタッフの悩みを聞き出す、②オーナーの思いを理念にする、③スタッフの将来像を一緒に考えるの3点をあげた。

 第3部「パネルディスカッション、Q&A」は2部で登壇した3人のオーナーが受講生の質問に答えた。

 おもな応答は以下のとおり。

『取り組みから、ある程度うまくいくまでに時間は? 産休・育休はスタッフが妊娠するまで不要?』

 坂巻代表「時間がかかるもの。まずは⾃分が働きたいお店のポイントや、理念を考え⾏動にうつすことが⼤事」、⽊村代表「まず環境を整備すること。また、スタッフを安⼼させるためにビジョンを⾒せることが⼤事」

『若⼿⼥性スタッフが結婚・出産後に離職しないために、今教えるべきことは?』

 坂巻代表「アシスタントのうちから実績を詰める環境をつくること。できることを積極的にやらせて能⼒を評価し、給料に反映する。そうすると復帰した際、できる技術が多く⾃⾝もついているので活躍しやすいと思う」、泉端代表「強みをできるだけ多く持たせる。復帰後の働き⽅のイメージがある程度でき、不安や離職の気持ちがなくなる」、⽊村代表「早期デビュープログラムを実施している。若いうちにキャリアを提⽰することで復帰後も働ける⾃信をつけさせている」

『スタッフから聞き出した悩みや希望など、どこまで聞くべきか?』

坂巻代表「スタッフの悩みを聞くことも⼤事だが、まずは“悩ませない” ことが重要。少しの迷いでも離職に繋がることがある。365⽇、オーナーの気持ちや企業のビジョン・理念をしっかり共有し、スタッフを迷わせないよう導くように意識している」

 同社アカデミーのWEBサイトに“女性活躍”ページがあり、そこでも学ぶことができる。

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